洋楽というと、最近ではもうCDを買うこともほとんどなくて、持っているCDを時々聴き返したりする程度ですが、このバンドはその中でも特に好きでよく聴きます。ストーン・テンプル・パイロッツ(通称ストテン)は、ニルヴァーナが全盛を誇っていたグランジ・ブーム絶頂期の1993年にデビューしたアメリカのロックバンドで、2003年に解散するまでの10年間に通算5枚のアルバムをリリースしていますが、本作は奇しくもその活動を締め括ることとなってしまった最後のアルバムです。 ストテンのアルバムは正直どれも好きで甲乙付け難いのですが、どちらかと言うと、へヴィでダークなグランジ・サウンド全開でビッグセールスを記録した1st『コア』や2nd『パープル』よりも、へヴィなテイストは残しつつもメロウで普遍的なアメリカン・ロックにシフトしていった3rd『ヴァチカン』以降のアルバムが好きです。 このバンドについての話題でよく引き合いに出されるのが、ヴォーカリスト、スコット・ウェイランドのドラッグ問題で、実際に過去幾度となくドラッグの不法所持で逮捕され、挙句に1年間の実刑判決を受けてしまいます。 そうした問題もあって、いつしかバンド内にはスコットvs他3メンバーという対立の構図ができあがり、常にバンド崩壊の危機に直面していた緊迫感は楽曲からもヒリヒリと伝わってくるようですが、そんな今にも壊れそうな刹那的な脆さと危うさが、実はこのバンドの魅力のひとつなのかも知れません。 しかしながら、スコットがクリーンになって出所した後はバンド内の対立も払拭されたようで、精力的なプロモーション活動に続いてリリースされた本作においては、それまでのなんとなくモヤモヤしたしがらみから解き放たれたような、ポジティブな勢いがありつつも気負いのないグルーヴとロックンロールが感じられます。 それ故に、本作で完全復活を果たしたストテンが、その後ほどなくして解散してしまったのはとても残念です。 ちなみにスコットはバンド解散後(前?)、元GN'R(ガンズ・アンド・ローゼズ)のギタリスト、スラッシュとともにVelvet Revolver(ヴェルヴェット・リヴォルヴァー)というバンドを結成し、現在も活動中です。
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以前ご紹介した『錦鯉(にしきごい)』を作・演出された、劇作家・土田英生氏書き下ろしの新作です。そして今回その演出を担当するのは、演出は6年振りいう(演出もやってたんだ)、俳優の生瀬勝久氏。 それほど遠くない近未来、大災害に襲われた日本で、水没により島となった信州・乗鞍岳に生き残った数名の男女が、やがて訪れる未来の絶望を感じながらも、少ない水と食料で命をつなぎ、その日一日をなんとなく行き当たりばったりに生きていくという、土田氏の得意とする群像劇です。 全体的な雰囲気はあくまでもコミカルなタッチで進行していきますが、外界から隔離された状況の中で、最初は平常の感覚を保っていた集団が、徐々に正気を失って狂気に取り付かれていく過程を、人間の奥底に潜む残酷さとともに、水面下からひたひたと忍び寄ってくるような感じで、静かでありつつもリアルに描いています。 出演は、大倉孝二・奥菜恵・八嶋智人・岩佐真悠子・戸田恵子など、それぞれに味があってバラエティに富んだ顔ぶれ。 個人的には特に、大倉孝二さんと八嶋智人さんの演技が、大仰になり過ぎない緩急の加減が絶妙で、実力派だなぁとつくづく感じました。 ストーリーの展開もとてもテンポよく、生瀬さんの演出も正直どこが良かったってのはないですが(笑)、全体を通してあれ?っていう違和感を感じなかったのは良かったってことかな、と。
初めて読んだのは大学の時でしたが、未だに強く印象に残っています。 隔離された状況設定とストーリー展開ともに、今回の舞台と非常にシンクロする部分が多いので、もしかしたら土田氏は本作へのオマージュをお持ちだったのかも知れません。 カーテンコールが終わり、久し振りにいい舞台だったなぁ、となんだか名残惜しい気持ちで劇場を後にしたのでした☆ ![]() |
先日、職場のおやつタイムに「村上開新堂」のケーキを頂きました。
このお店は、どうやら知る人ぞ知る、創業130年の歴史を持つ老舗の名店で、今どき珍しい一見さんお断りのお店なのだそうです。 かの田中角栄氏にも、一見さんという理由であっさり門前払いしたという逸話があるほど。 そして、どういう裏事情?からか、私の職場では年に一度、ここのお菓子がどこからか供されて、皆で頂くのが恒例なのです。 お味のほうはと言うと、一口食べた時に思わずホッと溜め息が漏れてしまうような、しっとりと上品でありながら、どこか和の雰囲気を感じさせる素朴で癖のない、優しい美味しさです。 この味の秘密には、ここのお店の味の基本を創り出したという、三代目村上二郎氏の“日本人の舌にあう味づくり”が脈々と受け継がれているのでしょう。 もし機会がありましたら是非、悠久の時を超えた味の調べを堪能してみては☆ ![]() |
約一年振りの歯科検診&歯石除去のため、先月から近くの歯医者に通っていたのですが、先週ようやく最後まで終わりました。
歯の着色もきれいに取れてスッキリです♪ ところで、今まで誰にも秘密にしていましたが、実は私、吸血鬼なのです。今宵も新鮮な血を求めて街へと狩り(献血カー襲撃)に出掛けます。。。 さて、それはそうと、私の上側の歯はちょっと変わっていて、前歯の隣の側切歯(第2歯)が先天的に欠損していてありません。 なので、前歯の隣にすぐ犬歯が生えていて、しかもその犬歯が異様に尖っています。 だからと言って日常生活では全く実害はないのですが、子供の頃はよく“や〜い、ドラキュラ〜”などと言われました(笑) そんな因果かどうかはわかりませんが、私はこの吸血鬼(ヴァンパイア)という不死で邪悪な存在に、どうしようもなく魅かれてしまいます。 中でも特に、映画『インタビュー・ウィズ・ヴァンパイア』に登場する“ヴァンパイア・レスタト”のような、知性的で且つ妖しく美しいヴァンパイアが好みです☆ 吸血鬼の起源は、東欧を中心としたヨーロッパの伝承によるものとされていますが、そのイメージを広く一般に定着させたのは、ブラム・ストーカーの小説『吸血鬼ドラキュラ』の影響が大きいようです。 ちなみに、この小説のドラキュラには、モデルになったとされるヴラド3世なる実在の人物がいて、ルーマニアのトランシルヴァニア地方には、彼の祖父ヴラド1世が居城とした別名ドラキュラ城とも呼ばれるブラン城があります。まさにドラキュラ城といったゴシックな雰囲気の佇まいですね。 そしてもうひとつ、吸血鬼と言えば「蝙蝠」がつきものですが、こちらは以前mahirumさんのお知り合いのさるお方に頂いた蝙蝠柄の手拭いです。いかにもという感じの蝙蝠ではなくて、さりげなく蝙蝠っていう感じがとてもいいです。 「春の献血」キャンペーン(3/1〜4/30) 久し振りに行こうかな。 ![]() |
定時で仕事を切り上げて、伊勢丹会館で前売りを買いながら、ダッシュで歌舞伎町の新宿ジョイシネマへ。地下1階の映画館ロビーには、劇中で土屋アンナさんが使用した打掛が展示されていて、携帯で写真を撮る女性客の姿も。 安野モヨコ原作のコミックを映画化した、写真家・蜷川実花の初監督作品です。 てめぇの足で吉原を出てやらぁ 江戸吉原を舞台に、遊郭「玉菊屋」に連れて来られ、“きよ葉”と名付けられた少女が、遊郭という欺瞞に満ちた閉ざされた世界で、遊女として孤独に力強く自分を信じて生きていく姿を描いています。 てめぇの人生、てめぇで咲かす。 主人公のきよ葉、やがて吉原一の花魁となる日暮を土屋アンナ、きよ葉を影から見守る玉菊屋の店番・清次を安藤政信、玉菊屋の花魁・粧ひを菅野美穂、同じく花魁・高尾を木村佳乃、きよ葉が初めて本気で恋をする青年・惣次郎を成宮寛貴、日暮(きよ葉)を本気で愛し身請けしようとする大名・倉之助を椎名桔平が演じ、石橋蓮司、夏木マリ、市川左團次、永瀬正敏など、実力派がその脇を固めています。 本作の見どころとしては、やはり写真家としての蜷川監督の見せる映像の美しさでしょう。 色とりどりの花々や金魚をモチーフに、ビビッドで鮮やかな色彩と、妖艶で毒のある淫靡な雰囲気で、愛憎渦巻く吉原遊郭の世界を見事に描き出しています。 しかし、「きれいなだけの映画」とだけは言われないようにしたかったという監督の強い思いとこだわりから、内容的にも重厚でしっかりした存在感のある作品となっています。 そして、そんな映画のクオリティを一方で支える音楽を手掛けているのが、自身も映画音楽は初挑戦となる椎名林檎。 私も椎名林檎は大好きでよく聴くのですが、彼女の作品のイメージと本作の世界観とはどこか相通ずるものがあって、監督の彼女へのオファーというのも頷ける気がします。 主演の土屋アンナさんは、おそらくほぼ素のまんまで演じていらっしゃると思われますが(笑)、まさに型破りな役のキャラクターにぴったりでした。 ところで監督の蜷川実花さんは、かの“世界のニナガワ”こと、演出家の蜷川幸雄氏のご息女でいらっしゃるのですが、本人は氏の娘として見られることをあまり好まないようで、プロモーションやプロフィールでも氏の名前は全く出てきません。 別にいいじゃんって思いますが。。。^^; でも演出的なセンスやアプローチの仕方なんかは、やっぱりどこか似てるような気もしました。 菜の花と桜が一面に咲き乱れる中を、日暮(きよ葉)と清次が手を取って、新たな世界へと駆け出していくラストシーンが、鮮やかな色彩とともに目蓋に焼き付いてありんす。。。 P.S. プロモーション等でのキャストとしてはクレジットされていませんが、劇中でガレッジセールのゴリと小栗旬が別のシーンで一瞬だけ登場します。 さて、あなたは見つけられるかな(^_-)
名取裕子さん主演のこの『吉原炎上』は、明治末期の吉原遊郭を描いた名作中の名作。 こちらも是非お薦めの一本です☆ ![]() |
この仮面は、学生時代の最後にと北海道へ旅行に行ったときに、小樽の北一ヴェネツィア美術館というところのミュージアムショップで購入したものです。材質は陶製で、大きさは上下の尺が10cmぐらい。 なので顔はちょっと隠れません^^; ところで、私は“仮面舞踏会”というものにとても憧れます。 水の都ヴェネチアでは、毎年2月に仮面カーニバルが開催されていると聞きますが、街中が仮面やマントをつけた人々で溢れかえってしまうとは、ああ、なんて素敵なのでしょう☆ そもそも祝祭の場で仮面をつけるようになったのは、貴族と庶民という身分の違いに関係なく、お互いに交流し合い祝祭を楽しもうとしたのが始まりなんだとか。 きっとそこには身分を越えた“許されぬ恋”もあったのでしょうね。 こちらは私の大好きな指揮者、西本智実さんと、当時彼女が主席指揮者を務めていたロシア・ボリショイ交響楽団“ミレニウム”のライブ演奏を収録したCDです。この収録曲の中に、「剣の舞」で有名なハチャトゥリャン作曲の組曲「仮面舞踏会」の第一曲で「ワルツ」という曲があります。 これぞ仮面舞踏会と言うに相応しい、優雅で絢爛な中にも憂いを含んだ曲です。 人は誰でもその場に応じていくつかの見えない仮面(ペルソナ)をつけて生きているものですが、そういう意味では普段の日常の中にも、実は仮面舞踏会は存在しているのかも知れませんね。 さて、明日はどんな仮面をつけて踊りましょう? ![]() |
表紙のデザインに魅かれて、つい手に取ってしまいました。 著者は、昨年映画化された『博士の愛した数式』で第一回本屋大賞及び第55回読売文学賞を受賞した芥川賞作家・小川洋子さん。 人々が封じ込めたい思い出の品々が持ち込まれる「標本室」で働く「わたし」と、謎めいた標本技術士との、ちょっと粘性な雰囲気の漂う、甘美で密やかな愛を描いた表題作と、必要な人はおのずとたどり着くという、六角柱の形をした語り小部屋を訪れた「わたし」が、心の奥底に溜まった想いや秘密を語ることで、自分を解放し見つめ直していく『六角形の小部屋』の二篇が収録されています。 この人の作品を読むのは今回が初めてですが、とても静かで淡々とした筆致ながらも、文章の表現力がしっかりしていて、場面の情景や人物の心境がすごくイメージしやすかったです。 本作では「わたし」の心理描写が一人称で綴られていきますが、感情の機微がとても女性的で繊細なタッチで描かれていて、ストーリーのちょっと不思議で幻想的な雰囲気と相まって、美しくも妖しい独特な世界へと引き込んでいきます。 ちなみに表題作の『薬指の標本』は、2004年にフランスで映画化されて、昨秋日本でも公開されています。 うん、フランス映画ってのはわかる気がする。。。
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